劉知幾[著]、浦起龍[通釈]『史通通釈』(上海古籍出版社)

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購入を志した直接の動機は宮崎市定『中国文明論集』(岩波文庫)の中で言及されていて強く興味を持ったことであるが、それ以前から劉知幾『史通』の名前は存じていて気になる書物ではあった。

『史通』は他の正史や『資治通鑑』『春秋』のような書物とは異なり、歴史書の成立や記述内容の真偽を論じる、謂わば史学の研究書みたいなものである。よって記述は「此処には~の記述があるがそれは違う」とかそういう感じで溢れている。

『史通』は大きく分けて史書そのものについて論じた「内篇」とその具体的な記述内容を論じた「外篇」に分かれている。例えば「外篇」の疑古第三では三皇五帝の話を取り上げ、意訳すると「堯が息子の不肖を知って舜に禅譲した?或る書には『舜は堯を平陽に放った』という記述があるし、『囚堯城』という城がある。禅譲なんて疑わしいよね。」「舜って蒼梧の野で死んでいるんだけど、此処って漢代で言う零陵や桂陽の地域だよね。そんな僻地で死ななければならないその意味は?項羽が楚の義帝を長沙郴県に徒したりその他の君主を廃した時の事例を見たら明らかだよね。」みたいな感じである。正直、読んでいて楽しい。

分厚いが、一方で字は大きく行間もあるので読み易い。個人的には歴史に関する面白い読み物として見なして差し支えないと考えている。時間がある時に拾い読みしておきたい。

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