向殿政男『よくわかるリスクアセスメント-事故未然防止の技術-』(中災防新書)

https://www.jisha.or.jp/order/tosho/index.php?mode=detail&goods_cd=25839

リスクアセスメントに興味があったことから上記の本を読了した。初めて触れる内容では無いから中身の一部は知っていたが、卑見の限り、内容は簡潔で抑えるべき処を抑えており、入門として非常に有用だと思う。

本書の内容は文字通り、リスクアセスメントである。安全設計思想、危険源の同定、リスク分析、リスク低減策の実施。これらを一言で言ってしまえば、安全性に関する事前評価ということになる。完全無欠な安全、というものがこの世に存在せず、且つ期待することも出来ない以上、どの程度まで事故のリスクを低減すべきなのか、その手法について論じている。

具体的な内容は買って読んでいただくことが正解だと思うので差し控えるけども、企業にとってどこまでリスクを評価し、低減するべきかという判断は難しい。業種によって大丈夫とするリスクレベルは異なるだろうし、またリスク回避策としての多重化や冗長化は一般的に手間暇やコスト増加に繋がる。安全は目に見えないから、コスト削減を掲げるときにはこういった多重化や冗長化は軽視されてやすい。その為にも、何によって安全を確保しているのか、その評価基準を設定して認識を共通化させておくのは、対外的にも、内部的にも重要であるように思われる。

リスク評価の話自体は決して難しい話ではないが、それを社内でどのように位置づけて、、、となると急に一筋縄でいかない調整を要する問題となる。この本は基礎である。これを今の環境に対してどのようにしてシステマチックに運用していくかが、担当者として必要な実務能力となるのだろう。